Grissiniの竃

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地震

正月の墓参り

 

なんで、正月早々墓参りなんだよ?と家族全員が思ったさ。

亭主が言うには「オヤジの命日は1月1日だ。だから正月は墓参り行ってた」とのことなんだが、嫁して50年、今まで一度だって、墓参りなんか行ったことないよ?

はるか陸奥国から律儀におふくろ様を案じてやって来る兄貴は、墓参りしていたみたいだけど、車で15分のところにいるうちの亭主は正月に出かけたことがない。

 

婚家も実家も、墓参りは私が犬連れで散歩がてら出かけるだけだ。

 

それを何をトチ狂ったのか、一家4人と1匹、墓参りに行こうというのである。

 

ナナは、小さい頃からの墓参りで、この墓地では結構有名犬になっている。

まずY霊園の花屋さんに行って、花を2対買う。

1対は、帰りにもらうことになっている(平和公園にも行くから)。

この花屋さんにはさっちゃんと言う看板猫がいた(もう亡くなったけどね)。

ナナが近づくと怒ってシャァシャァ言いながら店奥へと引っ込む。

ナナは深追いはせずに花桶をもらい、お墓へ行く。

お参りして戻ってきてまず花屋さんに桶を返す。

手伝いの兄ちゃんが、もう1対の花を持ってきてくれようとしたら、親父さんが

「ああ、それはもっと後だ、この子は団子が先だ」と声をかけた。

花屋の向かいの団子屋で、ナナはみたらしだんごを一串買って貰って緋毛氈を敷いた椅子の傍らで食べる。

夏はソフトクリームと決まっている。

それからまた花屋さんに戻って、花束をもらい、次へ行く。

次は広い広い平和公園で、まずお参り。

「お仕事、お仕事」というと、おとなしくついてくる。

それが済むと、長いリードに付け替えて貰いお散歩。

 

このルーティンはどんなことがあっても変えられない。

 

亭主は、かなりの人混みなので、それを避けるように引っ張るのだが、ナナは言うことをきかない。

「ほう、秋田ですか」

「秋田だ、秋田だ」

「あれ、秋田犬じゃない?」

あちこちから声がかかり、亭主は愛想笑いをしながらいいかっこうをしたがっているのがミエミエなのだが、ニワカでは扱えないのだ。

本当は、自分が先導してサッサと歩きたいところなのだが(この人は他人の目があるところでは、ナナのリードを持ちたがる)ナナは、団子屋の店先で腰を落としてしまってテコでも動かない。

「きゃー、モフモフさわりたーい!」という黄色い声も飛ぶ。

娘と息子は、秋田犬の人気にあっけに取られていた。

「えらい人気だね、なんで?」

いやぁ、こんなこと初めてですよ。

昔は、秋田犬の咬傷ニュースが結構ありましたし、散歩していれば、ナナは「太った柴」なんて言われていたものですが、認知されてきたんですかね?

 

家に帰ってまったりしていたら、ゆーらゆーら。

気持ちが悪くなる揺れ方でした。

震度4。

 

おとそ気分が吹っ飛ぶ年明けでした。