別に何という人生でもなかった。
その人生が終わろうとしている。
いや、別に命がつきかけているというわけではないですよ?
これから長生きするかもしれないし、大人しくしている癌が突然暴れ出すかもしれないし、そこはわからないけれども、まぁ、現状維持で行ければ最良の人生だったってことになるのかな。
現状維持は、よほどの努力をしなければならないのだけれど、その努力というのは、自分以外の人間を動かすことなので、ちょっと見当がつかないところが難点。
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この頃、2ちゃんねるをまとめたyoutubeをよく見ている。
なぜだか、ある日、候補に出ていたのをチョイと見たのが運の尽き、やたらと出てきて、今は猫ミームと2ちゃんに乗っ取られてしまった。
猫ミームの方はブラック企業とかベトナム人の雇用とか、うちの娘が遅い晩ご飯を食べながら私に話して聞かせることと内容が被るので、非常に理解が早いが、2ちゃんの方は、トメ・コトメをすっきり撃退してやったというのが多い、しかも結婚してすぐとか、長くても2年くらいで亭主ごとCOしたというのが殆どで、ある日、私は娘に聞いてみた。
「ママの結婚って、今なら即〝離婚案件〟なんだね?」
即答が来た。
「そうだよ」
娘はチンしたご飯に、目の前にあった「のりたま」の袋を傾けてザッザとかける。
「なんか急に食べたくなっちゃってさぁ、買ってみたんだよね。お弁当用のふりかけは、のりたまだけのはなくて、いろんなものが入っていたからやめて大袋にしたんだけど、早く食べないとしけっちゃう」と言い訳をする。
婚家の「かくあるべき食事」には、ありえない食材であるのだ。
姑はふりかけは自作すると言った。
自分で漬けたという梅干しを出してくれながら、残ったシソを乾かして手でもみ〝ゆかり〟にするという。
大して量は出来ないので、もう食べてしまったと言いながら
「買ったものでおいしいと思うのは〝錦松梅〟だけね、お稽古の帰りに三越で買うのだけど」
と言う。
〝錦松梅〟・・・はて?
姑「あら、知らないのオオオオオーー?」
当時は社宅にいたので、情報源は多い。
聞いてみたら「キンキラキンの器に入っているふりかけと言うか佃煮風と言うか・・・」「進物に使う」etc。
若い平社員の妻たちばかりで、もらいもので食べたことのある人は一人しかいなかった。
自分で購入するなんて、とてもとてもw
名古屋市のデパートまで行かないとないと言う。
それくらいの貧乏人たちばかりだった。
結婚して初めての姑へのお歳暮はそれにした。
亭主の月給5万円の時の錦松梅5000円は辛かった。
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娘はお代わりのご飯にまた「のりたま」をザッザとかける。
「お母さん、お弁当にもかけて。のりたまサイコー!」