9月1日に〝敬老のお祝い〟だと言って、町内会長さんがお菓子を持ってきてくださった。
この町内は年寄りが多いからずいぶんの量だったようで一仕事だったろう。
おやつに食べた。
2日は、残っていたプリンを食べた。
3日目は、予約しておいた食材が届いたので、ようやく家計簿の出番。
おやつは配達されたアイスクリームを食べる。
4日目、即ち今日。
雨、雨、雨で出かけたくない。
しかし、今日3時頃、友人が来るから、ちょっと豪華なおやつを用意するつもりでいた。
うちから一番近いところにあるケーキ屋さんはカフェともども有名で、何かあると買いに走る。
ところが朝一番、その友達から電話が入った。
「雨がかなり激しいので行かれない」
そう言えば、友人は免許を返上していて、ここ2,3年は会うときは公共交通機関を使っている。
お天気が回復したら(予報では今週はずっと雨、台風が来ている)行くからね、ということで、話はついたのだが。
さて、今日食べるはずだったあのTANAKAのケーキ。
お客は来ないけれど、おやつに買いに行くかどうしようか。
買わなければ、今日はまた家計簿は広げなくてよいw
我慢するか・・・。
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部屋から出てきた亭主に、友達が来ないことを告げ、車を出すのも面倒だしケーキもやめだと言うと、食いものにかけてはマメなヤツは、3時にオレが買ってくると言った。
うふふ、狙っていたわけではないけどね、ヤツは自分のカードを使うから家計簿に載せなくて良いし一石二鳥だ。
「生クリームの多いの、お義母さん、好きだったね」「そう言えば今月はお義母さんの誕生月だね」(これで、マザコン亭主は絶対忘れずに買いに行くよ)
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亭主は結婚早々から、一人暮らしの母親を案じて、休みになると私を連れて実家に帰りたがった。
もともとは実家から会社に通っていたので、休み関係なしに実家で過ごす。
私がおさんどんをするから、それが「親孝行」になると思っていたみたいだ。
亭主が会社に行っている間、私は姑と二人きりで、まぁ、いろんなことを見聞きしたり、しゃべったり、腹が立つやら、情けなく思うやらで新婚時代の大半を過ごしたわけだけれど、亭主が一生懸命になるほど母親の方はあまりアテにしていないような気がしていた。
明治生まれの姑にとって、やはり頼りにするのは(遠くにいても)長男。
いや、遠くにいるからかなぁ?
私は兄嫁のお母さんに「○○子(兄嫁)と仲良くしてやってね」と言われたことがある。「遠くにやってしまって・・・私は心配で仕方がないの」
結婚しても双方とも実家の近くでウロチョロする次男夫婦は、どなた様も心配ご無用らしい。
(いえいえ、お義姉さん、僻んでいるのではありません。)遠くにいるということだけで心配がつのるのは、母親として当然のことなのでありましょう、いくら交通機関が発達したとしても。
姑が、最後にうちへ遊びに来たのは93歳の時だった。
件の店で、果物をふんだんに使ったケーキを何種類か買っておいたのを、好きに選んでもらおうと全部出したら生クリームたっぷりのショートケーキを取り、それから小姑、亭主、私と一つずつ取り、2つほど余った。
姑は自分の皿に取り分けられたケーキを食べながら、しきりに「おいしいねぇ、おいしいねぇ」と言い、箱に残っていたケーキを横目でチラチラ見ていたが、おもむろに余ったのをもらっていいかと私に聞いた。
「ああ、もちろんです!」と私が答えたのに被せるように亭主が「ええ?まだ食うのかよ、腹大丈夫か」と言ったとたん、姑はワッと泣き出した。
「○○○(義兄)に食べさせてやりたい」(名古屋弁で〝食べさせてやりたゃぁ〟)
姑の言うには、何でも、義兄は食べ物も十分でないほど貧乏しているらしい(たぶん妄想です)。
ケーキは日持ちがしないので、今から新幹線に乗って届けてやりたい、今すぐ駅に向えば今日の夜には着くであろう、ご苦労だけれど、今から車で名古屋駅まで送ってちょうだい。
小姑が「ちょっと、お母さん!」ととがった声を出したが、私はこの小姑には日頃から含むところがあるから「いいですよ」と返事をした。
姑は、「ありがとう、ありがとう」と言い、それなら今から行くことにしよう、その前にちょっとお手洗いを借りるね、とトイレに立った。
「ちょっと、本気で行く気?」小姑が、ケーキの箱を納め直している私にまた聞いた。「駅まで送って、その後どうするのよ?」
「まぁ、その気でいるからオレも付いていくよ」亭主は自分の部屋へ財布を取りに行く。
小姑が自分が付いて行こうかと亭主とやりあっているうちに姑が戻ってきた。
「△△子(小姑)、何をしているの?今夜は○○○(義兄)が帰って来るから、早く支度しなくちゃ。」
そして玄関の方へ行きかけて、周りを見回し、「ここはどこ?」
その返事も聞かずに姑は「おじゃまいたしました。」ともう一人の息子に他人行儀に頭を下げ、私に「お手間をかけますねぇ」、小姑には「早くなさい!」
亭主は車のキーを私に渡し憮然と言った。「おまえ、送っていけ」
小姑は「これ、いただいていきますね」とちゃっかりケーキの箱を持つ。
「もうムリだなぁ」亭主は言ったが、義母はそれから8年生きた。
毎日電話で「すぐ来い」と呼びつけられて、辟易する日が積み上がって行った。