中学時代の友達とお茶した。
頭の良い人で、いつもクラスで一二の成績で、高校へ入ったら演劇をやりたいと言っていて、戯曲などをよく読んでいた。
私はと言えば〝赤毛のアン〟くらいしか読んでいないので、しかし、その中で知り得た情報でレベチにも関わらず彼女との会話を成立させていたのだから、無知とは恐るべし。
ある日、社会科の授業で、「新しく出来た法律を村人に知らしめる」をテーマに脚本を書いてみる、そして優秀なのを選んで、実際にクラスで演じることになった。
彼女と私が票を二分し、私は彼女の脚本を強力に推した。
いばりくさった役人、文字が読めない力自慢の男、ヨタヨタしてあちこちで小突かれ邪魔にされる老女・・、場面場面の展開が目に見えるようで、早く本物の劇に仕立て上げたのを見たくてしかたなかった。
ところが、私の脚本が選ばれた。
村人にはほとんど名古屋弁をしゃべらせ、都から来た役人は標準語にしたのが受けたらしかった。
私は本当に彼女の脚本にまいっていたので、残念でしかたなかったが、実際の劇になったら、思わぬところで私の脚本は頓挫した。
当時、名古屋弁は「汚い言葉」とされていて、まず女子がセリフを拒否した。
老女役の女の子が、グズグズするでないと乱暴に扱われて「やめてちょー」というセリフを「言いたくない」と泣いた。
男子たちがまた関係ないところで「やめてちょー」とマネしたりしてからかうので、よけいだった。
これが大阪弁だったら、こんなことはなかったかもしれないけどw
で、私の希望の2位だった例の彼女の脚本がとりいれられることになって、今度は彼女が私のことを残念がってくれた。
卒業の時にはアンにちなんで「心の友より」と刺繍したハンカチをくれた。
二人とも志望校が同じで、二人とも合格し、彼女は演劇部に入り、私はスポ根まっしぐらの3年間を送った。
河村たかし氏が当選した話を、すっかり全国展開になったコメダで。